【試作機】 (901号機)
1996年(平成8年)3月に三菱電機・川崎重工業で製作された、本形式の試作機である。
新鶴見機関区に新製配置され、各種試験に供された。
1997年(平成9年)8月に岡山機関区へ転属した。
量産機とは車体側面1エンド側のルーバー形状や、屋根昇降ステップの位置が異なる他、
運転席側窓がやや小さく、運転台周りの塗装パターンが若干異なる。
側面の車両番号表示は向かって右の助士席側扉付近にある。
主電動機は FMT3 形 (565kW) 、歯車比は 1:4.44 として製作されたが、
2005年(平成17年)3月に量産化改造を実施し、量産機と同一の電動機 FMT4 形を搭載し、
歯車比も量産車と同一になった。パンタグラフは下枠交差式のPS22D形である。
【基本番台】(1-18号機)
1998年(平成10年)7月-11月に三菱電機・川崎重工業で製作された、本形式の量産機。
主電動機を同一出力ながら小型の FMT4 形 (565kW) に改良、
これは以降の新型電気機関車にも標準装備される。
走り装置は歯車比を 1:4.44 から 1:5.13 に変更、主電動機を小型化したため
台車軸距は 2,600 mm から 2,500 mm に短くされた。
側面の車両番号表示は向かって左の運転士席側扉付近に移された。
新製時より「ECO-POWER 桃太郎」のロゴマーク(小形)が助士席側窓下に描かれる。
パンタグラフは下枠交差式のPS22D形である。全車が岡山機関区に配置されている。
【100番台】(101号機-)
2000年(平成12年)3月以降、三菱電機・川崎重工業で製作中の改良機である。
VVVF インバータの整流素子を IGBT に変更し、制御システムも1台のインバータで
1台のモーターを制御する 1C1M 方式とされた。
補助電源装置として搭載する静止形インバータ (SIV) の故障時に、主回路制御用
インバータの一群を SIV のバックアップとして使用できるフェイルセーフ配慮がなされる。
外観上、基本番台とは側面の採光窓・ルーバーの数や配置が異なり、
大き目の「ECO-POWER 桃太郎」のロゴが側面中央に描かれている。
109号機以降はパンタグラフをシングルアーム式の FPS-4 形とし、
関節部は車端側に向けて搭載される。
【運用・現況】
本形式は新製以来東海道本線・山陽本線で使用されるほか、さらに東北本線の黒磯駅、
高崎線の倉賀野駅、瀬戸大橋線を経由し高松貨物ターミナル駅、新居浜駅までの
運用があり、番台による区別はなく、全機共通で運用されている。
予讃線での使用に際しては、香川県と愛媛県の県境に存在する鳥越トンネル以西の
超狭小トンネルを通過するための対策を施している。
127号機は新製直後の2006年9月上旬、西湘貨物駅 - 東京貨物ターミナル駅間で
1,300 t 列車牽引試験を7日間行った。
2006年(平成18年)度は6両の増備が行われ、6両すべてを岡山機関区に集中投入した。
2007年(平成19年)度は10両の増備がなされ、それまで本形式が配置されていた新鶴見、
岡山の両機関区に加え、EF66形取替えのため3両が吹田機関区にも配属された。
2008年(平成20年)度は14両、2009年(平成21年)度は9両、
2010年(平成22年)度は9両の製作を予定する。
【2011年2月28日現在の車両配置】
新鶴見機関区
110 - 113・116 - 125・132 - 136・142・143・150 - 152・155・161 - 164・170 - 173号機
吹田機関区
139 - 141・144 - 146・149・154・156 - 160・165 - 169号機
岡山機関区
901・1 - 18・101 - 109・114・115・126 - 131・137・138・147・148・153号機
備考:110 - 113・116・117号機は岡山からの転属
また、山陽本線の西条駅 - 広島貨物ターミナル駅間で運用されているEF67形のうち、
0番台3両の置き換え用として本形式の導入が検討されている。
後補機として運用できるよう、特殊な緩衝器を装備する予定であるとしている。 |