【1000番台(PF形)】
旅客列車・貨物列車に広汎に使用可能な汎用機として、1969年(昭和44年)から1979年(昭和54年)にかけて8回に分け、合計139両 (1001 - 1139) が製造された。
標準で重連総括制御機能を備える。基本設計は重連機能を備えていた500番台(F形)に準じ、同番台の東北・上越線運用で問題となった点を改良したモデルである。このため、寒冷地での重連運用を考慮して前面にはEF64形と同様に貫通扉を設置し、運用上運転台の向きの転向が発生しても重連運転に支障がないようにKE70HDジャンパ連結器(凍結防止用ヒーターを付加)を左右に備える両渡り構造としたことなどの点で他区分と異なる。ただし、重連総括制御機能は備えるものの、F形に装備されていた10000系高速貨車対応の空気管付き密着自動連結器ではなく通常の並形自動連結器が装備され、自動復心装置も省略されている。1エンド側ステップ付近にKE70HDジャンパ連結器納めを備えていることも特徴である。
P形・F形の機能を併設するとされ、PF形と呼ばれる。塗色は500番台と同様の「特急色」であるが前面のステンレス製飾り帯は取り付けられていない。制御器は全車CS29であるが、改良によってサフィックスが異なる。
製造期間が足かけ10年にわたり、また途中で増備が途絶えた期間があったことなどから、1972年までに製造された前期形 (1001 - 1055) と1976年以降に製造された後期形 (1056 - 1139) で外観上大きな差異がある。
■所有状況
旅客会社では寝台列車の廃止で運用範囲が縮小し、JR貨物に移籍された一部のほかは余剰による淘汰が進行している。JR貨物では継続使用のため更新工事を施工しつつも、EF210形の投入により更新工事未施工の車両から淘汰を進めている。
■現状
2012年2月1日現在 JR貨物 新鶴見機関区
1001・1036・1037・1040・1041・1043・1046・1050・1057・1058・1060・1061・1063・
1065 - 1097・1101・1117・1119・1121・1122・1127・1138・1139号機
■更新工事
JR貨物が所有するEF65形に対して、全般検査2回分(≒約10年分)の延命・更新工事が
大宮車両所と広島車両所で行われている。
<1000番台>
1993年から施工を開始した。主な施行内容は以下のとおりである。
・主要電気配線の交換
・主電動機電機子コイル巻き替えおよび絶縁強化
・一体圧延車輪の採用と乙28形制輪子の採用
・車体外板の補修と貫通扉・側扉の交換
・切り抜きナンバーのブロックプレート化
・主電動機をMT52Cに交換(2001年以降)
大宮車両所で施工された場合、更新工事後の塗装は3色更新色にからし色の乗務員扉とされ、更新工事後の全般検査で2色更新色にからし色の扉というように車体塗装が区別された。しかし、2000年ごろ以降に施工された更新工事において、更新出場時点で2色塗装とされている。そのため3色塗装の更新機は年々減少し、2011年5月12日に1058号機が大宮車両所を2色更新色で全検出場したのを最後に3色更新機は消滅した。
更新工事の施工車は、2009年4月現在、次のとおりである。
1002 - 1010・1012・1031 - 1037・1039・1040・1042 - 1051・1055・1057・1058・1060・1061・1063・1065 - 1071・1074 - 1076・1080・1081・1083 - 1097・1101・1117・1127・1138・1139号機 |