車体ならびに機器類はEF65形、台車はEF81形同等のDT138形(両端)とDT139形(中間)を
装着するなど国鉄F形機を参考に製造したことから、この形式を与えられたとされる。
ただし、完全なコピーではなく機器室採光窓に丸型デザインを採用するなど
西武独自のアレンジが加えられた。
主電動機は国鉄MT52形と同等のMB-428-AVR(出力42kW)を6基搭載し、
定格出力は2,550kW、運転整備重量は96tとした。
歯車比は貨物列車牽引専用であることからEF65形の3.83ではなく、EF60形の4.44とした。
単機で10‰勾配上で1040tの列車をけん引可能、
重連の場合は同じ重さの列車を25.6‰の勾配でけん引可能な性能を持つ。
パンタグラフはばね上昇式ですり板(架線に接触する部分)は電車用と共用。
【運用】
秩父郡横瀬町の三菱鉱業セメント(現・三菱マテリアル)横瀬工場で
武甲山から産出される石灰石を原料に生産されたセメントを輸送するため、
東横瀬 - 池袋・国分寺間の貨物列車牽引に投入された。
1976年(昭和51年)の池袋線所沢 - 国鉄(当時)武蔵野線新秋津間貨物連絡線完成後は
東横瀬 - 新秋津間にルート変更され、貨物輸送量も順調に推移。
一時は一部の上り列車が東横瀬 - 芦ヶ久保間で重連運転を実施した。
しかし、道路整備に伴う貨物輸送量の減少や機関車自体の老朽化により
1996年(平成8年)3月の貨物列車廃止に伴い定期運用を終了した。
【旅客運用】
1996年5月26日にさよなら運転が行われ、東日本旅客鉄道(JR東日本)所有の
12系客車を借用し、最初で最後の客車牽引を行った。
その後全車が廃車され、E851 - E853の3両は解体された。
さよなら運転乗客全員に非売品の「さよならE851形電気機関車 記念列車乗車証」が配布され、
多摩川線を除く西武鉄道各駅では「さよならE851形電気機関車 記念レオカード」が発売された。
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